
ブラック企業の定義って何だろう?
残業時間でブラック企業かどうかを判断できるのかな?
ブラック企業と言えば、真っ先に思いつくのが長い残業時間です。
毎日長時間の残業を強いられ「もしかしてうちの会社、ブラック企業なんじゃ?」と疑いの目を持っている方もいるかも知れません。
ところで、どれくらいの残業時間であればブラック企業と判断することができるのでしょうか?
▷この記事の内容
- ブラック企業の定義
- 一日何時間残業すればブラック企業?
ブラック企業の定義
一般的に使われるようになった「ブラック企業」という言葉ですが、とりわけ明確な定義があるわけではない様子です。
厚生労働省においてもブラック企業に関して明確な定義は避けているものの、ブラック企業という言葉自体は認知しているようで、ホームページ上で下記のように述べています。
厚生労働省においては、「ブラック企業」について定義していませんが、一般的な特徴として、① 労働者に対し極端な長時間労働やノルマを課す、② 賃金不払残業やパワーハラスメントが横行するなど企業全体のコンプライアンス意識が低い、③ このような状況下で労働者に対し過度の選別を行う、などと言われています。(引用元:厚生労働省|労働条件に関する総合情報サイト/確かめよう労働条件)
冒頭で「『ブラック企業』について定義していませんが」って書いてますね。
しかし、ブラック企業は「一般的には」こんな感じだよっていうのは明記してくれています。
国としては色々な制約があるようで定義を避けていますが、私たち一般レベルでこの文言を「定義」と捉えても問題はなさそうです。
ちょっと書き方がややこしいので、要約してみますね。
ブラック企業とは、一般的にこのように定義されます。
- 残業時間が長い・ノルマがきつい
- 残業代の未払いがある・セクハラやパワハラが横行
- 社員を使い捨てにする
今回のお話のテーマである「残業時間」に触れられており、さらに残業に対する「未払い」にまで言及しています。
もう少し話を膨らませると、残業代に関しては、未払い以外にも「残業時間に対してきちんと支払われていない」こともブラック企業判定の対象になりそうです。
僕の別記事「残業が多いと言われるのは何時間?」でも書きましたが、一般的に「多い」と感じる残業時間は、人それぞれです。

一般論はさておき、ここからは「法律」で定められている残業時間について詳しく見ていきます。
ブラック企業と定義できる残業時間の判断基準
では具体的にどれだけの残業時間であれば、ブラック企業と定義することができるのでしょう?
そこで判断基準となる目安になるのが、「労働に関する法律」です。
「法律に違反している=ブラック企業である」というのは正当な判断だからです。
労働に関する様々な法律を紐解いていくと、残業時間でブラック企業と判断できる基準は「45時間」であることがわかりました。
三六協定では残業時間の上限を「45時間」と定めている
三六協定とは?
「三六(サブロク)協定」という言葉を聞いたことがあるかも知れません。
「三六協定」とは、正式名称は「時間外・休日労働に関する協定届」と呼びます。
三六とは労働基準法第36条を指しています。
使用者は、当該事業場に、労働者の過半数で組織する労働組合がある場合においてはその労働組合、労働者の過半数で組織する労働組合がない場合においては労働者の過半数を代表する者との書面による協定をし、厚生労働省令で定めるところによりこれを行政官庁に届け出た場合においては、第三十二条から第三十二条の五まで若しくは第四十条の労働時間(以下この条において「労働時間」という。)又は前条の休日(以下この条において「休日」という。)に関する規定にかかわらず、その協定で定めるところによつて労働時間を延長し、又は休日に労働させることができる。(出典:労働基準法第36条)
条文が長く難しいので要約をすると、
と言っています。
じゃあ「法定の労働時間」って?というのが、労働基準法第32条です。
使用者は、労働者に、休憩時間を除き一週間について四十時間を超えて、労働させてはならない。(出典:労働基準法第32条1項)
使用者は、一週間の各日については、労働者に、休憩時間を除き一日について八時間を超えて、労働させてはならない。(出典:労働基準法第32条2項)
つまり、私たちの労働時間は「1日8時間・週40時間まで」と法律で定められています。
そして「三六協定」では、会社は法定の労働時間(1日8時間・週40時間)を超える残業や休日勤務などを命じる場合、労組などと書面による協定を結び労働基準監督署に届け出ることが義務付けています。
もしも会社が協定も結ばず所定の届けも出さずに法定外の残業時間を課していた場合は「違法」になります。
法律に反した行為を行なっている企業は、ブラック企業と定義できます。
しかし実際は
- 三六協定の存在を知らなかった
- 書面の届け出を失念していた(忘れていた)
などと言い逃れする企業が多いのが実態のようです。
三六協定が定める残業時間の上限
ここまでは「労働時間の上限」のお話ですが、三六協定では「残業時間の上限」も示してます。
2018年に労働基準法が改正されて、三六協定で定める時間外労働に「罰則付きの上限」が設けられました。
法律上残業時間の上限は「月45時間」と定められ、これを超える残業を強制してくる企業は「違法」ということになり、即座にブラック企業であると定義して良さそうです。

過労死ラインは「残業80時間」
厚生労働省では、「過労死と長時間労働の関係」についても言及をしています。
過労死に至る残業時間として、「2ヶ月~6ヶ月にわたって月80時間を超える残業時間・休日労働が認められる場合、過労死ラインに至ると強く評価できる」としています。
- 残業時間の上限は月45時間:法律で決められている
- 月80時間を超える残業時間:過労死ライン
法律では残業時間の上限は月45時間に定められていますので、これを超える場合にはブラック企業と定義していい状況です。
さらに「過労死ライン」と呼ばれる月80時間を超える残業を強制してくる場合には、間違いなく「超ブラック企業」と定義して間違いない状態ということです。
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