残業を代休で強制的に相殺されるのは問題ナシ?

残業

残業時間が8時間を超えたから「代休」を取ってくれと会社に言われたけど、残業を強制的に相殺して「なかったこと」にするのは問題あるんじゃないの?

結論から言うと「問題あり」です。

私たちの労働時間や残業時間、そして残業手当については「法律」で厳格に決められており、企業の勝手な判断で強制的に残業を代休に振り替えて相殺するのは、違法になり得ます。

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「残業を代休で相殺する」とは?

古くからの慣習で「残業を代休で相殺している会社」は、少なくありません。

残業を代休で相殺するとは、例えば毎日2時間の時間外労働を4日間続けて残業時間が8時間に達した際、残業代を支払う代わりに労働者に「代休」を与えるというものです。

イメージでいうと、下のような感じになります。

残業を代休に相殺するイメージ

見た目上残業は代休に振り替えられて消滅した「ように見える」ため、「相殺」という言葉が使われます。(※実際に残業時間が消滅したわけではありません。後述します。)

「残業を代休で相殺するなんて、アリなの?」と疑問に感じている人もいるでしょうが、相殺の行為そのものに問題はありません

ただし、残業を代休に振り替えるには以下の条件が必要になります。

  • 労働者と使用者の間で「合意」がある(労働契約等)
  • 就業規則で定められている
  • 割増し賃金が別途支給されること

残業を代休で相殺する「大前提」として、労働契約書などで「残業は代休に振り替えることがありますよ」という約束を労働者と交わしておく必要があります。

契約も交わしていないのに、会社側から強制的に代休へ相殺することはできません。

また、就業規則にもこの旨を記載し、従業員に周知させていつでも閲覧できる場所に掲示しなければなりません。

詳しくは後述しますが、残業は代休に「振り替えられた」だけであって、残業そのものに代わりはありません。

必ず「残業分の割増し賃金」は支払われる必要があります。

残業を代休に相殺して違法になるケース

残業を代休に相殺すること自体は、法律的に問題はありません(上記条件の満たしている場合)

ただし、残業であることに変わりはないので企業は「残業分の割り増しの賃金」を支払う必要があります。

以下は労働基準法第37条の条文です。

使用者が、第三十三条又は前条第一項の規定により労働時間を延長し、又は休日に労働させた場合においては、その時間又はその日の労働については、通常の労働時間又は労働日の賃金の計算額の二割五分以上五割以下の範囲内でそれぞれ政令で定める率以上の率で計算した割増賃金を支払わなければならない。

法定労働時間(1日8時間)を超える時間外労働(残業)を行なった場合、使用者は25%割増しの賃金を払わなければなりません。

残業を代休で相殺しても25%の割増賃金は消滅せず、後日この分は従業員に支払わなければなりません。

もしも25%分が支払われていない場合は、労働基準法違反として「違法」となります。

残業の代休へ相殺を強制するのは大問題

法律的に正しい手順を踏み、労働者側へ残業に対する割増し賃金が支払われているのであれば、残業を代休で相殺することには何の問題はありません。

しかし、労使間で合意なく、単に「残業代を払いたくない」という企業側のわがままで代休への相殺を強制されるのは、明らかに問題のある行動です。

もしも契約内容に相違がある場合、労働者側は即座に契約を解除することが可能です(労働基準法第15条2項)。

また合意があるにも関わらず、割増分の賃金が支払われていない場合は、会社に請求をすることが可能です。

自分から会社に申し立ててもいいですし、弁護士に相談をして取りたててもらうことも可能です。

残業に関するトラブルは非常に多く、立場の弱い労働者の「泣き寝入り」も少なくありません。

困ったら信頼のおける弁護士に相談することをおすすめします。

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