「残業が当たり前」はおかしい!日本の残業文化を脱却するために必要なこと

残業 ブラック企業

今の会社は「残業が当たり前」になっているけど、おかしいことじゃないのかな?

欧米の先進国では「残業しないのが当たり前」なのに、何で日本はいまだに残業ばかりなんだろう?

労働基準法の大幅な改定や「働き方改革法案」などの施行で、日本中に「残業NO!」の風潮が漂っています。

しかし、実際に働く人の声は「残業が減った代わりに給料も下がって困っている」「仕事が終わらない」などの悲鳴も聞こえてきます。

なぜ、日本では「残業が当たり前」の文化から脱却できないのでしょう?

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残業の定義とは?

残業(時間外労働)とは、契約によって決められた労働時間を超えて働くことです。

残業には「残る」という言葉が入ってますから、決められた労働時間後に居残りをして働くというイメージがありますが、実は「早出残業」も残業として認められます。

労働基準法第32条には

1日8時間・週40時間を超えて労働させてはならない

とあります(これを「法定労働時間」と言います)。

さらに同37条では、使用者が労働者に残業をさせた場合、「割り増し賃金を払う」ことを定めています。

つまり決められた労働時間の前後を問わず、残業(時間外労働)をした場合には企業は必ず「残業代(通常の賃金より割増)」を支払わなければなりません。

「残業が当たり前」なのは古くおかしい考え方

残業

昭和のバブル絶頂期の時代に「24時間働けますか」というキャッチコピーの栄養ドリンクのCMが流行りました(知らない人が多いかも)。

今こんなキャッチを公共に広めれば間違いなくコンプライアンス違反で通報されそうですが、日本には昔から「残業は善」という考え方があります。

  • 残業する人=仕事ができる人
  • 残業しない人=仕事をさぼる人

定時で帰れるのは公務員だけ。その他の労働者は、帰宅する時間までも上司に気を遣う始末。太陽が出ている明るい時間に帰ろうものなら、みんなから白い目で見られたものです。

最近日本では、ようやくこの考え方が「おかしい」と気づいたらしく、労働基準法の大幅改定や「働き方改革」に踏み切りました。

「残業は悪である」という指針が、国から示されたんですね。

しかし、もともと「残業を前提にしたオペレーション」を採用していた多くの企業から「仕事が終わらない」などの悲鳴が多く上がっているようです。

アメリカや他の先進国並みの「無残業文化」になるのには、まだまだ時間が掛かりそうですね。

日本の「残業文化」が無くならないワケ

残業前提のオペレーションや給与体系

日本にいまだに残業文化が根強く残っているのには、大きな理由があります。

まず、現在の企業の多くは「労働者の残業を前提としたオペレーション」になっている点です。

簡単に言うと「残業しないと回らない会社が多い」ということです。

ブラック企業

僕がいた会社でもそうでしたが、特に中小の企業ではゴリ押しの「マンパワー」で実績を立てている会社が多く存在します。

僕も予算をクリアするために、強制的に夜中まで「数字の詰め」をさせられたものです。

残業の強制・強要を行なう時点でもはや「ブラック企業確定」みたいなものですが、そうせざるを得ない企業側の事情も見えたりします。

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また「残業代が無いと生活が苦しい」という「給与体系」にも問題があります。

最近の「働き方改革」によって半ば一方的に残業を「禁止」させられた労働者の中には、「給料が減って住宅ローンが払えない」などの問題を抱える人も少なくありません。

労働者の意識の問題

残業をさせる企業側への問題提起はさかんに行われていますが、実は働く側の意識にも問題があります。

日本には残念ながら多くの「残業代目当ての労働者」が数多く存在します。

残業をすれば法律(労働基準法第37条)で定められた2.5割増以上の「残業代」が支給されるわけですから、労働者からしてみれば「おいしい」わけです。

給料

中には残業をするために敢えて通常業務時間帯ををダラダラ過ごす人がいるのも事実です。

「残業代が貰えるから」「どうせ残業しないと仕事終わらないから」という言い訳をしている労働者が数多く、日本は先進国ながら世界でもワーストクラスの「生産効率の低さ」です。

しかし潜在的には「基本給が低すぎて、残業代を充てにしないと生活できない」など給与制度に対する問題も含まれているため、一概に労働者だけに責任があるとも言えませんが。

「残業しないのが当たり前」になるためには

「残業前提のオペレーション」「残業代が無ければ生活できない」というのは、いつまでも残業文化を引きずる「間違ったおかしい考え方」です。

最近では、ベンチャー企業を中心にして「年棒制」を採用する会社が増えてきました。

実はアメリカを中心とする先進国では、ホワイトカラーを中心にして「年棒制」が採用されています。

「1年間の給料はこれだけ」と予め決められているので、誰も残業をしたいとは思いません。決められた時間内に仕事を終わらせることこそ、正義です。

このような企業では定時の17:30頃になると、皆一斉に帰宅し、事務所は真っ暗になります。

これは「欧米各国の人たちは仕事が速い」ということを意味しているのではなく、「残業しないのが当たり前」だからこそできることです。

これらの国では「残業をする人=仕事ができない(遅い)人」と認知されるでしょう。

日本でも「年棒制」などのシステムを広く普及させていくのが、現代のあるべき姿だと思います。

これまで多くの企業が作り上げてきた「残業前提のシステム」に対し、国や上司が「残業するな!」と指示しても、現場がパンクするだけです。

個人の生産性を上げ、「残業が当たり前」の文化から脱却させるためには、残業を前提としないシステムやオペレーションの構築が求められます。

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