介護の仕事をしているけど、夜勤で休憩が取れないのって当たり前のことなのかな?
夕方から朝までワンオペで介護しているから、忙しくて仮眠どころじゃない…
これって違法じゃないのかな?
介護の現場は人手不足が慢性化しており、夜勤になると1人で数十人の利用者を看なければいけない「ワンオペ」の現場も多いでしょう。
しかしこのような現場では十分な休憩・仮眠が取れず、過酷な労働環境に疲弊し、多くの介護職員の方が苦しんでいるという実態があります。
もしもこのような「問題のある環境下」で働いているのなら、すぐにでも行動し、この環境から脱するべきだと思います。
なぜなら夜勤で休憩・仮眠が取れない職場は間違いなく違法状態です。
介護に携わる「国の宝」とも言うべき貴重な存在が、法律に抵触するような劣悪な環境で疲弊しているのは、明らかに「異常」だからです。
▷この記事でお話しすること
- 16時間労働が70%%?介護現場の実態
- 夜勤で休憩なしは違法?
- 介護夜勤の理想的な休憩時間
- 休憩・仮眠なしの現場から今すぐ脱する方法
夜勤の長時間労働・休憩なしは当たり前?介護現場の実態
介護の現場は、慢性的な「人手不足」になっています。
要介護の高齢者が年々増えているのに対して、介護職の「なり手」が依然として追いついていないのが原因です。
2019年の有効求人倍率を見てみると、全体の有効求人倍率が1.5倍前後なのに対し、介護職は4倍を超えています。
これは介護職員1人に対して4つ以上の施設が求人していることを示しており、介護業界の人手不足はもはや異常なレベルです。
70%以上の介護施設で夜勤は16時間以上の長時間労働
人手不足の介護現場では、夜勤の「長時間労働」という問題があります。
一般的に介護の現場では、勤務シフトを「2交代制」もしくは「3交代制」で組みます。
「2交代制」は日勤と夜勤の2シフトに分けた勤務体系で、夜勤では夕方16時~明朝9時(17時間!)という長時間勤務になります。
日本医療労働組合連合会発表の「2019年介護施設夜勤実態調査結果」によると、約87%もの施設が「2交代制」を採用していると回答。
そのうち、72%の施設が16時間以上の長時間勤務となっています。
夜勤で働く介護職員の身体負担の大きさを物語るデータですね。
夜勤・休憩なし・仮眠なしの温床「ワンオペ介護」
慢性的な人手不足のため、多くの施設で「2交代制」が採用され、16時間以上の長時間勤務を強いられています。
本来であれば長時間勤務を課す場合、介護職員が休憩や仮眠を取れるように2~3人で回す必要があります。
しかし多くの介護現場では、たった一人で利用者全員を看る「ワンオペ」が常態化。
急なコール対応や徘徊など「休憩・仮眠どころではない」という施設が数多くあります。
介護現場の「夜勤あるある」
介護施設における夜勤の現場では、休憩が取れない数々の「あるある」が存在します。
経営者から「夜勤は暇だ」と思われている
介護施設の経営者(トップ)が現場の実態を把握していないケース。
トップ自身が「夜勤は利用者も寝ているし、休憩くらい十分取れるだろう」と勘違いしています。
介護の現場で「夜勤・休憩なし」が起こる元凶とも言えます。
施設利用者の徘徊やコール連発
トップの思いとは裏腹に、夜勤の介護の現場では多くの「トラブル」が発生します。
夜間に「徘徊」をする利用者が現れると、転倒防止などのリスク回避に奔走。
また朝はおとなしいのに、夜になるとコールを連発する利用者がいるなど、通常業務に加えて夜勤の職員は「トラブル対応」に追われます。
ワンオペ休憩なしで「2日分労働」
2交代制の介護施設の場合、夜勤の勤務時間は夕方16時から明朝9時までの長時間労働がほとんどです。
これは一般的な労働時間の「2日分」にあたります。
夜勤では一人で50人近くの利用者を看る施設も多く、食事介助や排泄介助、定期巡回、コール対応、記録などに追われ休憩・仮眠どころではありません。
夜勤手当が出るのはいいけど、17時間休憩なしは、キツすぎます…
介護現場の「夜勤・休憩なし」は違法?
休憩は法律で定められた労働者の権利であり、雇用主は労働者に所定の休憩時間を与えなければいけません。
長時間労働でありながら休憩なしという夜勤は、違法と言わざるをえません。
使用者は、労働時間が六時間を超える場合においては少くとも四十五分、八時間を超える場合においては少くとも一時間の休憩時間を労働時間の途中に与えなければならない。(出典:労働基準法第34条1項)
上は労働基準法第34条1項の引用です。
条文に照らし合わせると、17時間に及ぶ夜勤の場合「少なくとも1時間」の休憩時間が与えられる必要があります。
また、34条3項には休憩時間の使い方に関して次のように記載しています。
使用者は、第一項の休憩時間を自由に利用させなければならない。
(出典:労働基準法第34条3項)
ワンオペの夜勤の介護現場では、「利用者を見ながら休憩」になりがち。
しかしこれは「休憩時間の制限」にあたり、間違いなく法律に抵触しています。
【介護職の夜勤】休憩時間はどれくらいが適当?
労働安全衛生総合研究所「介護者のための安全衛生マニュアル」によると、「夜勤が長時間におよぶ場合には、2時間の仮眠をとることが勧められる」とあります。。
しかし「2019年介護施設夜勤実態調査結果」によると、16時間近くにも及ぶ長時間の夜勤勤務にもかかわらず、休憩・仮眠が1時間だけと回答した施設も多くありました。
この場合、労働基準法によれば「勤務時間が8時間を超える場合には1時間以上」の休憩時間が必要とのことでしたから、法律的には問題ありません。
しかし、介護従事者の体調や健康のことを考えると、やはり2時間程度の休憩・仮眠は必要かも知れませんね。
夜勤でも休憩が取れる介護施設は存在する!
慢性的に人員不足である介護業界において、「夜勤ワンオペ」「休憩・仮眠なし」は仕方がないのかも知れません。
しかし実際には、長時間の夜勤には「複数人」の介護職員や看護師を配置し、交代で十分な休憩や仮眠が取れるようにしている施設も存在します。
そのような「優良な施設」は全体的に少ないものの、転職市場には確実に存在します。
「夜勤・休憩なし」の違法状態からいち早く脱するためには、自ら優良な労働環境を掴み取る必要があります。
やるかやらないかは、あなた次第です。
夜勤でも休憩が取れる「優良介護施設」を見つける方法
公益財団介護労働安定センターによる「介護労働の現状について~平成30年度介護労働実態調査の結果と特徴~」によると、介護事業所の「従業員の不足感」は67.2%で5年連続上昇。
不足の理由の89.1%を「採用が困難」が占めており、介護職は超売り手市場と言えます。
つまりどこの介護施設でも採用に積極的な姿勢であり、介護職員にとっては転職しやすい状況です。
とはいえ、夜勤でもちゃんと休憩が取れる「優良介護施設」は一握りであり、「早い者勝ち」であるのが実情です。
もたもたしていると優良施設にばかり人が集まり、気が付けば「違法スレスレ」の施設しか残っていない可能性があります。
現状を変えたいのであれば、一日でも早く動き出すことをおすすめします。
「だけど、どの施設が優良なのか判断できない」という人がいると思います。
確かに転職サイトの求人票を見ただけでは「ホワイト企業かブラック企業か?」の判断はつきません。
そこでおすすめなのが、介護職に特化した転職エージェントです。
転職エージェントは求人する企業とコネクションを持っているため、職場の環境を熟知しています。
気になる夜勤の休憩状況も、エージェントを通して施設に確認することができるので、入所してから「こんなはずじゃなかった」を回避することができます。
登録は無料なので、疲弊して倒れる前にサクッと登録しておきましょう。
転職エージェントが無料である理由については、下の記事を参考にして下さい。
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