求人票と休みが違う!これって「違法」じゃないの?

仕事の悩み

就職した会社が、求人票に書いてあった休日の日数と違う。

これっていわゆる「虚偽表示」で法律違反じゃないの?

そんな疑問にお答えします。

実は僕自身も「求人詐欺」に遭ったことがあり、少ない休日日数で泣く泣く3年ほど勤めた経験があります。

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求人票と休みが違う→法律のプロ「必ずしも違法とは言えない」

2016年6月16日のBusiness Journalに掲載された記事には、こんな記載がありました。

 労働問題に詳しい浅野総合法律事務所の浅野英之弁護士は、求人広告と実際の労働条件が異なっていても必ずしも違法とはいえないと言う。

「求人広告の内容は、あくまでも募集段階で一般に示された労働条件にすぎず、個人の労働契約の内容となる労働条件ではありません。この場合の労働契約の内容となる労働条件は、雇用の際に労働条件明示義務(労働基準法15条)に従って雇用契約書や就業規則に規定されて明らかになっている内容をいいます」

(出典:Business Journal「『魅力的』な労働条件は嘘だらけ」より)

つまり、

  • 求人票はあくまで「募集の目安」であり、
  • 実際の条件は「労働契約書」で明示すれば問題ない。
  • よって、求人票の嘘は「違法ではない」

という論理ですね。

「味に自信あり!!」と書かれたお店のHPを見て、実際食べたら全然美味しくなかったみたいな。よくある話です。

確かに詐欺とまでは言えないけど…ちょっと納得がいかないという方が多いかもしれません。

横行する「求人詐欺」

これを逆手にとって、企業側による「求人詐欺」が横行している模様。

求人詐欺というのは、ハローワークや求人情報誌などに記載される求人票に比べて、実際の労働条件や雇用形態に「負のギャップ」がある状態を言います。

例えば、

  • 求人票に「基本給30万円」と書かれていたのに、実際には20万円で「みなし残業代込み」の金額だった。
  • 求人票に「完全週休2日」と書かれていたのに、実際は日曜日しか休みがなかった。

といったケースですね。

ちなみにこれは、僕が以前勤めていた会社のケース。

「完全週休2日」って書いてあるのに、実際入社してみたら日曜日しか休みがありません。

社長に直接聞いたら「いや~、うちも忙しいからね~。みんな頑張ってくれているから助かるよ!」とかいって濁されましたけどw。

求人詐欺が横行する理由

なぜ企業が「求人詐欺」に手を染めるかというと、理由は2つあります。

  1. 人を集めやすい
  2. 罰せられる可能性が低い

競合がひしめく中、何としてもいい人材を確保したい。

そのために、企業側は自分の会社を「よりよく見せたい」わけです。

商品でいうところの「誇大広告」です。

今では商品について「薬事法」とかで、誇大広告に対して罰則が強化されましたけど、企業側による「求人の誇大広告」に関しては放置状態が現実。

求人詐欺は「やっちゃいけないこと」なんですが、それを明確に罰する規定がありません。

またハローワークを管轄する厚生労働省も、求人詐欺に対して「開き直り」とも取れる回答をしています。

下は、とある求職者が厚生労働省に投げかけた質問に対するQ&Aです。

質問

求人誌を見て就職しましたが、求人誌に書いてあった給料や勤務時間などの条件と実際の条件が違っていました。これは労働基準法違反ではないのですか。

回答

労働基準法第15条には、労働条件の明示が定められていますが、この条文で言う労働条件の明示とは労働者個々人に対して書面で明示される労働条件のことです。つまり、求人誌やハローワークに掲載されている求人票はあくまでも募集の際に提示する労働条件の目安であり、労働基準法第15条で定める労働条件の明示には該当しません。
なお、ハローワークに掲載されている求人票の条件と実際の条件が異なる場合は、まずはハローワークにご相談ください。

国としては、完全放置。最終的に「ハローワークに聞け」と。

これじゃ、「やりたい放題」ですね。

 

法律では罰せられなくても、実際に被害を被った場合には「民事裁判」を起こしているケースもある模様です。

「求人票と休みが違う!」を回避するためには

前述したように、残念ながら現状「求人詐欺」が横行しているのは紛れもない事実。

「求人の中には嘘が紛れている」という前提で、私たちも求職活動をしなければいけません。

では、これらから身を守る方法はないのでしょうか?

対策法は2つあります。

  1. 労働契約を確認する
  2. プロの力を借りる

労働契約を確認する

労働基準法第15条によると、「使用者は、労働契約の締結に際し、労働者に対して賃金、労働時間その他の労働条件を明示しなければならない。」と記載されています。

企業から内定をもらえた際、必ず労働条件を記載した「雇用契約書」を交わします。

ここに「求人票との乖離」がないかを必ずチェックします。

悪質な企業だと、求人票と雇用契約書の内容が全く違うなんていうことも考えられます。

ここで確認をせずに契約書にサインをしてしまうと「契約内容に合意した」ことになり、反論の機会を失います。

プロの力を借りる

とはいえ、「何としても就職したい」という求職者は立場的に弱く、「契約内容が違います!」とハッキリ言える人が少ないのも事実。

企業も、そんな弱い立場を利用して、上手く丸め込もうとしてくる可能性があります。

そんなとき、求職者と企業の間に「頼れるプロ」を挟むと、求人詐欺の抑止につながります。

プロとは、転職エージェントです。

転職エージェントは、

  • 企業と求職者のマッチング
  • 面接日や労働条件などの交渉
  • 提出書類の添削、面接サポートなど

を行なってくれる、いわば転職のプロ。

「弱い立場」の求職者が突っ込みにくいところも、ちゃんと対応してくれるので心強い味方になります。

転職エージェントは、これだけの手厚いサポートを無料で受けられるサービスなので、転職をお考えの方は利用をおすすめします。

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